Alibabaグループの新書体が企業のエコシステムにシンプルな美的センスをもたらす
アリババグループのためにカスタムデザインされたフォントファミリーAlibaba Sansで、ブランドイメージにぴったりマッチしたデザインをグループ全体で共有することが可能になりました。
Alibabaグループについて
eコマース、クラウドコンピューティング、決済、物流、デジタルメディア、エンターテイメント、イノベーションの取り組みにおいて、世界最大のデジタルプラットフォームを運営するAlibaba。中国の7億人近くの消費者と、多数の中小企業を含む世界中の何千万という出店者・出品者をつなぎます。
出店者・出品者、ブランド、その他の事業に基礎的なテクノロジーインフラとマーケティングリーチを提供することで、Alibabaグループはあらゆるビジネスが顧客との関わり方、マーケティング活動、販売法、経営法および効率性の改善をするために、インターネットの持つ力を利用する支援をします。
課題
Alibabaグループの企業ブランディングチームは、複数のクリエイティブチームやオフィス拠点、そして多様なデジタルパートナーやサプライヤーを含めたエコシステム全体にわたり、複数のオープンソース・フォントを使用していたため、デザイン上の様々な困難に直面していました。
同社の急成長により、デザイナーが自由に実験しつつも、ブランド及びIP規範内に収まるような一貫性があり、柔軟かつ革新的なフォントファミリーの必要性を高めました。eコマースおよび小売事業が中心のビジネスであることを考慮すると、Alibabaグループにとっては文字だけでなく、数字や通貨記号のフォントも最重要になる点が浮かび上がってきました。課題をさらに深めたのは、ブランドイメージにマッチするキャンペーンを企画制作するために、今も成長を続ける市場全体においてチームメンバー、パートナーそしてクライアントと手軽にAlibabaブランドのフォントを共有する必要がありました。
ソリューション
実に協力的な各チームメンバーの取り組みの下、MonotypeとAlibabaグループのデザインチームは、数日間にわたるワークショップを複数回開催しました。ワークショップでは、Alibabaグループの企業アイデンティティを体現した新しい書体コンセプトを迅速に開発するためにデザイン活動に集中しました。
Monotypeのタイプディレクター小林章(こばやし・あきら)率いるデザインチームは、Alibabaグループのeコマース事業において非常に重要である数字および通貨記号をまずデザインすることで、Alibabaの課題に応え始めました。数字や文字を一からデザインすることで、特徴ある小文字の「a」を含めたAlibaba Sansを制作しました。求められたフォントは、最大の太さでも目に優しく、大小どのサイズでも読みやすく、デバイスからオフィスビル標識、Alibabaギフトショップ、実店舗および全てのeコマースサイトどこでも使用できるものでした。
Alibabaグループを具現化する最も印象に残る言葉を捉えるために、世界中の従業員アンケートが作成されました。その結果、デザイナーたちはAlibaba Sansフォントに「情熱的」「パワフル」そして「未来志向」のエッセンスを込めました。このカスタムフォントファミリーは、2019年4月27日~28日にかけて開催されたAlibaba DesignのUCANフェスティバルで発表されました。デザインの力を通して「シンプルで美しく」あるための完全なシステムフォント一式がグループ全体にわたり共有できるようになりました。
成果
社内向け:
• 企業全体で、使いやすく統一され、一貫性のあるブランディングを届ける
• センスのあるキャンペーンを試し、最高品質かつ柔軟なIPを活用し企画制作する
• 協働、デザインのスピードおよびROIを伸ばすために、書体を各事業部に迅速に展開する
• 全てのデザインタッチポイントで使いやすさを可能にする
外部向け:
• 統一性のあるブランドイメージおよび企業イメージを伝える
• クライアントやパートナーがカスタムフォントファミリーを全てのタッチポイントで識別し使用することで市場での混乱を一掃する
• 無料の新書体を届けることで、ブランドイメージにマッチしたデザインを促進する
• Alibaba Sansはこちらから無料でダウンロードできます
ブランドをレベルアップする準備はできていますか?Monotype Studioが書体アイデンティティを最も的確に表現する支援をいたします。お問い合わせはこちらまで
The Studio team.
小林章
欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して 2001 年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏との共同での書体開発のほか、モノタイプ日本デザインチームが開発して2017年に発表された同社初の日本語書体「たづがね角ゴシック」のディレクションを担当した。欧米、アジアを中心に講演やワークショップを行うほか、世界的なコンテストの審査員も務める。